また、あわせて確認したほうがいいのが、すでに利用している保護者の感想だ。日ごろ保育園を利用している保護者のほうがその保育園の様子を理解している。1回や2回の見学では見えてこない保育の様子を知ることができる。
「保護者は職員とは違い、率直な感想をいいやすい。良いところ悪いところを具体的に教えくれるでしょう。知人に利用者が入れば聞いてみるといいでしょうし、いなければ、お迎えの時間を狙って5分ほど立ち話で感想を聞かせてもらうというのもいいと思います」(山懸教授)
普光院さんは「保育士に大事にされ、あたたかく保育されているかが大事なチェックポイント」と指摘する。山懸教授と同じく、保育の場面を実際に見ることを勧める。保育士と一緒に楽しんでいるか、保育士に身を委ねているか、甘えているか、といった点は注意深く見ておいたほうがいいという。
「普段から子どもに怒鳴ったりしていれば、子どもは先生に甘えたりはしないでしょう。保育園を選ぶ際のチェックポイントに、サービス内容や習い事などが上がりますが、愛情深く保育されているかも大事なポイント。また、園の説明会で保護者にとって便利な話ばかりをしていれば、それも注意が必要です。子どもの気持ちや発達に合わせた保育をしていることをしっかりと説明できるかも見ておくべきです」(普光院さん)
では、すでに子どもが入園している場合、保護者はどういったところに注意したらいいか。
普光院さんは、「子どもの様子に注意してほしい」という。裾野市の事件では、園児が「保育園に行きたくない」と駄々をこねたことがあったと報道されている。普光院さんはその点についてこう注意を促す。
「単なる子どものわがままではなく、『園で何かあったのかもしれない』と考えてみるのがいいでしょう。その場合、どういった原因がありそうか、担任の保育士や主任、施設長に相談してみてください。『先生が怖い本を読んだから』といったたわいもない理由のこともありますが、問題のある保育士がいれば、相談すると態度が改まることもあります」