「しあわせの郷紀行」でいただく三段重ねの「おとなの遊山箱」は、三好郡の日本料理店「味匠藤本」が手掛けるこだわりの逸品。その昔、徳島の子どもたちは、お弁当を持って近くの山々に出かけ、そこで一日を過ごす「遊山」と呼ばれる娯楽を楽しんでいたという。
「そらの郷紀行」では、がらりと趣を変えた「さぬきこだわり食材の洋風料理」が提供される。自然豊かな沿線の絶景を眺めながらお弁当を食べる幸せは、今も昔もきっと変わらない。列車内での食事とともに楽しみたいのが地酒の飲み比べ。好みの銘酒3酒を選び、国宝の香川漆器に注いでくれるという、なんともぜいたくな利き酒を堪能できる。
列車は3両編成。1号車はわかばの芽吹きを表現したグリーン、2号車は夏の川のすがすがしさと冬の空気の清らかさを表現したブルー、3号車は紅葉を思い起こさせるオレンジのカラーリング。彩りの演出も、旅の気分を盛り上げてくれる。
JR九州「特急A列車で行こう」
(熊本→三角)
「特急A列車で行こう」は、乗車時間が約40分間と短く、価格もお手頃。ちょっと気分転換したいというときにおすすめの観光列車だ。ラグジュアリーで大人な空間が魅力の車両は、16世紀に天草に伝わった南蛮文化がテーマ。A列車のAは天草(Amakusa)と大人(Adult)を意味しているという。
乗車すると、雲仙普賢岳やおこしき海岸を眺めつつ、バーカウンターで格別の一杯を楽しむことができる。列車名の由来は、言わずと知れたジャズのスタンダードナンバー「A列車で行こう」。ジャズを聴きながら、ちょっと甘めの名物「デコポンハイボール」を飲めば、まさに大人の休日。ステンドグラスを配したクラシック映画に出てくるような列車で、特別な休日を満喫してみて。
(構成 生活・文化編集部 白方美樹)