「ろくもん」食事付きプラン洋食コースは、軽井沢発10:34→長野着12:49で1万5800円。車内でお土産も買える
「ろくもん」食事付きプラン洋食コースは、軽井沢発10:34→長野着12:49で1万5800円。車内でお土産も買える
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 おいしいお酒においしい食事、そして車窓を流れる美しい景色とくれば、観光列車の旅。非日常的な空間でぜいたくなひとときを堪能できる、究極の旅の形だ。酒と旅に精通した精鋭ライターが日本各地の酒処を取材したムック「日本のおいしい酒旅」が、えりすぐりの観光列車の旅を特集している。この記事ではその特集をほぼ丸ごと収録した。いつ、どの観光列車でなに呑む?なに食べる?

【写真】ぜいたくな非日常空間!観光列車のもてなしはこちら。

しなの鉄道「ろくもん」
(軽井沢→長野)

 自然あふれる軽井沢から歴史の町・長野まで、およそ75キロ。信濃路を走り抜ける「ろくもん」は、ボルドーとゴールドの華やかなカラーリングで彩られた観光列車だ。出発前のホームにはほら貝の音が響き渡り、出陣のようで心がはずむ。上田市真田町ゆかりの武家・真田一族の家紋「六文銭」がその名の由来だ。

おいしいワインと料理で最高の休日。個室タイプの席を確保できれば、非日常感はさらに増す
おいしいワインと料理で最高の休日。個室タイプの席を確保できれば、非日常感はさらに増す

 3両編成の列車は車両ごとに座席の位置も雰囲気も異なる。食事をいただく3号車には、長野県産の木材、ヒノキがふんだんに使われたぬくもりの空間が広がる。食事付きプランはいくつかあるが、今回は信州のワインと洋食が楽しめるコースを個室でゆっくりと味わった。

メインディッシュは色鮮やかで、目でも楽しめる。車窓の景色に癒されながらいただきたい
メインディッシュは色鮮やかで、目でも楽しめる。車窓の景色に癒されながらいただきたい

 前菜は色彩豊かなひと口サイズの盛り合わせ。メインは低温調理した信濃産豚ロースに飯網町産りんごソースをかけて。料理には、長野のぶどう「竜眼」を使った甘口で優しい白ワイン「長野竜眼2020」や、りんごの香りが心地よい「いいづなシードル」などがペアリングされた。

北側車窓からのベストショット。標高2568メートルの浅間山の雄大な姿を眺めることができる
北側車窓からのベストショット。標高2568メートルの浅間山の雄大な姿を眺めることができる

 小諸付近で見える懐古園、軽井沢から信濃追分にかけての浅間山ビューなど車窓を流れる四季折々の景色を眺めながら味わうお酒と食事は格別のおいしさ。冬に乗車すれば、青空と浅間山の雪景色という「ベストビュー」を一望できることもある。リッチな観光列車旅を楽しんだあとは終点長野駅で降りて、北信濃を満喫したい。

長野電鉄「北信濃ワインバレー列車」
(湯田中→長野)

「北信濃ワインバレー列車」は湯田中駅と長野駅の間を1日1往復。片道ずつの販売で、ワイン・弁当付きで6000円
「北信濃ワインバレー列車」は湯田中駅と長野駅の間を1日1往復。片道ずつの販売で、ワイン・弁当付きで6000円

「北信濃ワインバレー列車」は、湯田中から長野までを日本一ゆっくり走る特急列車だ。車内は、ロゴ入りのゴージャスな座席カバーやカーテンがラグジュアリーな雰囲気を醸し出す。座席には「本日のワインリスト」があって、ワインカウンターに行くと北信濃のワイナリーから厳選された赤・白のワインが勢揃い。なんと、約80分間の乗車中は飲み放題だというから、ワイン好きにはたまらない空間だ。

対面式の席なら、景色とともにおしゃべりも楽しめる。もちろん、感染対策は徹底しておきたい
対面式の席なら、景色とともにおしゃべりも楽しめる。もちろん、感染対策は徹底しておきたい
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