放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、「M-1グランプリ」の山田邦子とスタッフ陣について。
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M-1グランプリ、すごいな!と。だって、こんなにその話題で持ちきりになるイベントってありますか? W杯で日本が勝った時の次くらいに、話題に尽きない。もはやオリンピックよりも話題になってしまうイベントなんではないかと思う。ウエストランドの優勝、そして審査員のことなどなど。
やはり山田邦子さんの審査が話題になっている。結論から言うと、僕は邦子さんの審査は大成功だったと思う。「大正解」ではなく「大成功」である。僕が正解かどうかなんて ジャッジするのは違うので。
正直、見る前はドキドキした。審査員を審査するようなところも、もはやM-1にはあるので。だけど、始まってすぐに、そのドキドキはワクワクに変わった。オープニングの松本人志さんとの絡みなど見ていて、期待値が上がる。「おもしろい」。強いて言えば、邦子さんが言った「榮倉奈々」さんの名前のピックアップが、なぜ榮倉奈々なのかと、ちょっとだけドキっとしたが。まあ、そこも、なんかいい味で。
そして始まってすぐの審査。一組目、カベポスター終わりの邦子さんの得点「84点」の厳しさと、二組目の真空ジェシカの「95点」とのギャップを色々と言っている人がいます。
まず、M-1のこれまでの審査の得点の歴史を見ると、とてもおもしろいことがわかる。当初は、50点台、60点台という厳しい得点が出ていて、80点台など当たり前だった。
だが、回数を繰り返し、出場者の漫才のレベルもどんどん上がってきて、それとともに審査員の得点も上がってきた。なかなか80点台を見ることが少なくはなってきたが。
その中で、邦子さんの審査の得点は目立っていたかもしれない。ネットなどでも色々な意見が書かれているが、邦子さんの得点をなしにしても、上位はほぼ変わらないという意見。だとしたら、邦子さんいなくていいんじゃないかという意見を書いてる人もいますが、今回、出場した芸人さんは邦子さんに助けられているところも沢山ある。3位から落ちる時に、邦子さんに絡んだり、邦子さん絡みの一笑いを作ったりするコンビも多かった。