ロッテ・福田秀平(写真提供・千葉ロッテマリーンズ)
ロッテ・福田秀平(写真提供・千葉ロッテマリーンズ)

 多くの選手の契約更改も終わり、その査定に対してあらゆる声も聞かれるが、年俸が高くなればなるほど求められるハードルもまた高くなるのは当然だ。一方で前年まで実績のなかった低年俸の選手が驚きの飛躍を遂げるケースも少なくない。そんな選手のコストパフォーマンスについて、今年のベスト3、ワースト3と言える選手をそれぞれピックアップして紹介したいと思う。また、外国人選手については以前も取り上げたため、日本人選手のみを対象とした。今回はパ・リーグ編だ。

【年俸ランキング】2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら

*  *  *

■ワースト3位:金子侑司(西武・推定年俸1億2600万円)

【成績】44試合 33安打1本塁打4打点3盗塁 打率.277

 かつて2度の盗塁王に輝いたスピードスターもここ数年は故障で低迷。今年も度重なる太ももの肉離れでプロ入り以来最低の出場試合数、安打数に終わった。やはり気になるのが脚の状態だ。過去3年間で14、9、3と盗塁数は激減しており、昨年と今年は成功率も5割と落ち込んでいる。外野の守備範囲も若い頃に比べると確実に狭くなっている印象を受ける。来季はドラフト1位の蛭間拓哉が入団し、外野のポジション争いはさらに激しくなることが予想されるだけに、まずはしっかり脚の状態を戻したいところだ。

■ワースト2位:武田翔太(ソフトバンク・推定年俸1億5000万円)

【成績】10試合 2勝1敗0セーブ0ホールド 防御率2.57

 2015年からは2年連続で二桁勝利をマークするなど先発投手陣の一角として活躍。それ以降は低迷が続いてはいたが、昨年オフには近い将来のFA権取得と年齢的な若さに対する「市場価値の高さ」を理由に異例の大幅年俸アップの4年契約(年俸は変動制)となったが、右肘の故障もあってその高い期待に応えることはできなかった。若い若いと言われてきたものの、来年で30歳とベテランと呼べる年齢に差し掛かっている。若手に有望な投手は多いだけに、そろそろ期待に応えないとチーム内の立場も苦しくなりそうだ。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
ワースト1位は…