ここに、私が伝えたかった重要なメッセージがあります。それは、「独立思考」とは決して一人で考えることを推奨しているわけではない、ということです。
「独立思考」を身につけた先にあるのは、その「独立思考」を身につけた人どうしで「交互作用」を起こすことです。交互作用とは、ある効果(X1)と別の効果(X2)が組み合わさることによって生じる相乗効果(X1×X2)のことです。
言うまでもありませんが、仕事というものは一人で行うものではありません。「独立思考」を身につけた人どうしが互いにコミュニケーションし、力を合わせることで、成果を何倍にも高めることができると考えています。その交互作用をもたらす上で必要なコミュニケーションのポイントも紹介しています。
この本もきっと、私だけの力では、これだけわかりやすい、体系だった内容にはならなかったと思っています。その意味で、私自身もこの本を形にする過程で、交互作用の必要性を再認識することができました。
■自分の強みやオリジナリティーを獲得するための思考法
――「独立思考」を身につけることで、どんな能力を手に入れられるのでしょうか?
ずばり「自分の頭で考え、行動する力」です。何が起きても、自分の力でなんとかして生き残る「個の力」を手に入れるために必要な能力です。
明日、会社がなくなったとしても、自分自身が市場価値の高い強みやオリジナリティーを持っていれば生き残ることができます。ただ、「どうやって強みやオリジナリティーを身につければいいんだろう?」と悩んでいる人もいるでしょう。
「独立思考」とは、その強みやオリジナリティーを獲得するための思考法なんです。「このスキルとこのスキルを組み合わせたら自分の強みになるかもしれない」といったように、自分の強みやオリジナリティーを発見し、磨いていくために、この本を活用していただきたいと思っています。
――オリジナリティーを磨いていくためにどんな行動をすれば良いのでしょうか?
何だっていいと思っています。ただ一つ言えることは「待っていないで何でもいいから仕掛けること」。このマインドも実は必要だと思います。特に今置かれている状況に不満があったり、あるいは何かのチャンスを得たいなら、待っていては絶対にダメです。自らで行動を起こす以外にありません。