山本大平著『独立思考』(朝日新聞出版)※Amazonで本の詳細を見る
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<ここに同じ形をした同じ色の見た目では見分けがつかない12個のボールと、1台の天秤があるとします。そして、12個のボールの中には、1つだけ、重さが異なるボールがあるとします。この天秤を3回まで使って良いと使用回数が限定される場合に、天秤を使ってその重さの異なる1つのボールを特定することはできるでしょうか? また、特定できる場合は、どうやって特定するのか、その方法も説明してください。>

――この問題、簡単そうに見えて、なかなかの難問ですね……。

 他人に頼らずに自力で答えを導き出すことも「独立思考」には必要なので、答えはあえて言いませんね(笑)。
ポイントは、この問題文に書かれていることを「シンプルに」捉えること。“生まれたての赤ちゃん”のように、さまざまな思考のバイアスから離れて、問題文をシンプルに眺めることです。

 もしかして、今、頭の中で6個と6個を天秤に置いてたりしませんか? もしそうされたのなら、既に認知バイアスがかかっている可能性が高いです。一つだけ言っておくとその特定すべきボールが「重い」とは言ってませんから。「重さが異なる」としか言っていないので、12個のボールを6個・6個に分ければ、天秤は必ず傾きますよね。ちなみに、この問題を出すと約半数くらいの方々は「出来ました!」とこの6:6パターンで始めた答えを説明しようとしてくれます。

 この問題は、注意力も試されますし、いかに頭の中をシンプルにして整理できるか、といった要素が詰まっている問題ですので、ぜひチャレンジしてみて欲しいです。

■「独立思考」=「一人で考える」ではない!

――他にも「自分の頭で考え、行動する」ための方法論が、思考のプロセスごとにわかりやすく体系化されています。仕事でアイデアに悩んでいるときにも「今、どのプロセスで悩んでいるんだろう?」と振り返るのにも活用できそうですね。

 そう言っていただけるのはとても嬉しいですね。ブックレビューでも「わかりやすい」のお声を多く頂いています。でも、これは担当していただいた編集者の編集力のおかげです。私が書いた膨大な原稿を、編集力で、思考のプロセスごとに五章立てで巧く整理して纏めてくださったおかげだと思っています。

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山本大平さんが伝えたかった重要なメッセージとは?