育成契約出身では一軍で欠かせない存在となったリバン・モイネロというお手本がいる。来日時の年齢もほぼ変わらないため、3投手には数年後の活躍が今から待ち望まれている。フェリックスとロドリゲスに関しては、藤本博史監督が秋季キャンプ参加の可能性を示唆したほどだ。

「野手にもドミニカ共和国出身の育成選手が2人いる。フランケリー・ヘラルディーノ内野手は俊足で守備力の高いスイッチヒッターで適応力が高い。外野手のマルコ・シモンはグラシアルのような強打者として期待される。2人が育てば内外野に柱ができる」(ソフトバンク担当記者)

 ヘラルディーノは荒削りながら成長を重ね、身体能力の高さを生かしたプレーを随所で発揮し始めた。シモンは入団会見で「スーパースターになりたい」と語るなど、日本で成功することを夢見ている。さらにソフトバンクは今月に15歳のホセ・オスーナ外野手と育成契約を結んだことを発表。無限の可能性の秘める外国人プロスペクトたちの今後の成長は楽しみでもある。

 そして、巨人、ソフトバンク以上に中南米と強固なルートを持つのが中日。かつてコーチや監督などを務めた森繁和氏の在籍時代は「モリシゲルート」と呼ばれた独自のラインで、優良な外国人選手を多く獲得してきた。現在は最も太いパイプを持つキューバから来日したペドロ・レビーラ内野手への期待は大きい。

「7月30日の場外弾(マツダスタジアム)の打球には驚かされた。打球の角度、速さなど日本人選手では考えられない。得点力不足に苦労している中日にとって最も必要な長距離打者でもある。立浪和義監督、オマール・リナレス巡回コーチ兼通訳兼キューバ担当がホレ込むのもわかる」(中日関係者)

 今年5月にリナレス巡回コーチが持参したキューバリーグのオールスター戦のホームランダービー映像を見て、立浪監督がレビーラ獲得を要請。6月に来日し、7月にあいさつ代わりの特大アーチを放ってみせた。今季は一軍で21試合に出場して、打率.203、1本塁打、3打点の成績だったが、来季以降へは大きな期待を抱かせる。

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