西武池袋本店
西武池袋本店



<「セゾン文化」とは、かつてセゾングループの代表だった堤清二氏が進めた独自の文化活動。その文化拠点として1970年代に西武百貨店本店にセゾン美術館や多目的スタジオが作られ、80年代にかけて文化やアートの発信源となった。
 
 また豊島区は「国際アート・カルチャー都市」を標榜しており、かつては治安が悪いイメージのあった池袋駅西口に野外劇場を整備するなど駅周辺のイメージ刷新を図っており、今後も再開発が続く予定だ。>

――低層階でなければ良いということか。

高野区長 その通りです。ヨドバシカメラが出店すること自体は、街がにぎわうという意味でプラスの影響があるでしょうから、出店は歓迎です。

――歓迎と言うならば、投資会社やヨドバシ側にどうしてほしいのか。

高野区長 豊島区は2014年に東京23区で唯一の『消滅可能性都市』に名前が挙がり、区としては非常に危機感を抱きました。池袋も石田衣良さんの小説『池袋ウエストゲートパーク』にある荒れた街のイメージのままではいけないと、一生懸命、文化の街を作ろうと努力してきました。今回のヨドバシさんの出店計画は寝耳に水で、出店されるなら民間だけで話を進めるのではなく、区と一緒に文化の街づくりに協力していただきたい。まずは、話し合いの席についてほしいというのが一番の願いです。

――家電は文化やアートにはそぐわないということか。本店の大通りを挟んだ向かいには、大型ディスカウント店が一階から入るビルがあり、別のビルの一階にはドラッグストアもある。

高野区長 文化やアートの側面は家電にも、もちろんあると思います。私は何も、家電をさげすんでいるわけではありません。ただ、池袋駅の東口を出たまさにその時、文化の顔であり続けた西武百貨店本店が、いかにも家電量販店という装いになっていたら、街のイメージが大きく変わってしまいます。あの立地にあり続けた西武百貨店本店だからこその話で、その近くにディスカウント店があることには何の意見もありません。

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