計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。

■賢い食材選びで食欲をコントロール

 好きなものを食べてやせる上で注意したいのが食品(材)選びです。「好きなものを思い切り食べたい!」と考える時、野菜や玄米を思い浮かべる人は稀だと思います。ほとんどの人が、お菓子や脂質たっぷりのジャンク系フードのように、ダイエットには不向きな食品をイメージするのではないでしょうか。こうした食品の多くは、食べるほどに「もっとほしい」という欲求が高まり、食欲の乱れにつながるため、「アンダーカロリーの状態を維持できていれば大丈夫」という油断は禁物。食欲をコントロールするためにも、できる限り栄養価の高い食品(材)で食欲を満たすことを心がけましょう。

 とはいえ、お菓子やジャンク系フードを一切口にしない生活は、現実的ではなく健全だとも言えません。食べ過ぎに注意は必要ですが、太ることへの恐怖心から食の自由度が狭められると、“生活の豊かさ”まで失ってしまいかねません。まずは健康的で、ダイエットに適した食生活を確立し、その上で食べたいものを少しだけ嗜むという習慣を身につけることが大切になります。

■やせられないのは栄養不足が原因かも

 ところで、アンダーカロリーの状態で食欲をコントロールすれば、どんな人も公平にやせられるのでしょうか。あくまで私の経験則によりますが、答えはNOです。例えばダイエットを始めたばかりの人は、アンダーカロリーの状態を維持することで、比較的簡単に体重を落とすことができます。一方、何度もダイエットを繰り返したり、厳しい食事制限を長期間続けた経験がある人ほど、やせることが難しくなる傾向にあります。その理由として考えられるのが栄養不足です。

 ルールの紹介でも解説したように、過度な摂取カロリー制限や継続的なダイエットによって栄養不足に陥ると、代謝機能が低下したり、筋肉の量が減ったり、体重を落としにくい環境が作られてしまいます。「カロリー収支を考えると体重が減るはずなのに、まったくやせられない」という人は、こうした状況に陥っている可能性があります。代謝機能の改善など、やせやすい環境を整えるためには栄養不足の解消が第一歩。そもそも低下してしまった機能の改善には想像以上に時間を必要とするので、回復を待たずにダイエットを繰り返しても効果は期待できません。

■バランスよく食べ、よく動き、よく眠る

 体に備わった機能を活性化させるには、バランスの良い食生活を心がけ、定期的に体を動かして、しっかり眠ることが重要です。「そんな当たり前のことを……」と思うかもしれませんが、好きなものを食べてやせるには、結局のところ「当たり前」を実践するのが正解なのです。緑黄色野菜や豆類、魚介、海藻、玄米などは栄養価が高く、ダイエットに適した食材の代表格。きのこ類も“優秀”で、少量であればナッツ類もおすすめです。こうした食材を積極的に取り入れ、よく動き、よく眠るライフスタイルを続けることで、やせやすい環境が整っていくはずです。

 今回は好きなものを食べてやせるための条件やヒントを紹介してきましたが、必要以上に“数字”を追い求める必要はありません。やせることがストレスなってしまうのは本末転倒なので、食事量と満腹感、カロリー収支の相関関係がざっくりと把握できれば大丈夫です。細かな計算をするよりも、オリジナルのダイエットメニューを考えたり、新しいストレッチを取り入れたり、ダイエット生活に“楽しみ”を見つけることを大切にしてください!

(構成:加藤 徹)

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計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。東京を中心にパーソナルトレーニングジム「ボクノジム」(https://bokuno-corporation.com/)を経営。論文の科学的データに自身の経験を組み合わせ、インスタグラムやツイッターなどで理論的かつ実践的なダイエットやトレーニングに関する情報を発信中。“2か月後の減量よりも1年後の健康”をテーマにしたYouTubeチャンネルは登録者11万人(2022年1月現在)と人気を集める。また、公式LINE(https://lin.ee/VJIfdbB)ではダイエットに役立つ情報や動画を無料配信中。

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