放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、ドラマ「silent」の脚本を書いた生方美久さんについて。
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先日、僕がパーソナリティーをしているラジオ、東京FM「JUMP UP MERODIES」に「silent」の脚本家・生方美久さんが来てくれました。
生方さん、1993年生まれの現在29歳。フジテレビヤングシナリオ大賞で大賞を受賞。今回が連続ドラマデビューとなるわけです。デビュー作品が大ヒットドラマになった。
脚本家界に現れたスターな感じがします。
生方さん、なんと助産師さん、看護師さんをやられていたんだと。
ドラマの脚本って色々な形があると思いますが、僕が知る限り、プロデューサーの方がかなり口出ししたり、かなり書き換えてしまう場合も少なくないと思います。それで評判が良ければいいんですが、そうじゃない場合は、脚本家として「辛い」。だけど、当たった場合も、それはそれで脚本家としては「辛い」。
これは個人的な感想ですが、フジテレビで恋愛ドラマが当たると、ホームラン感があるんですよね。Netflixなどの配信系のドラマが話題になることが多い中、テレビで、しかもフジテレビから恋愛ドラマが当たるって、今だからこそテレビ界としてはかなり貴重。
しかも、この「silent」は、TVerでの再生数が一話、500万回を超えるとか。これね、100万回超えるだけでもすごいんですよ。なのに500万回。
テレビ界ではなんだかんだで視聴率が一番大事だとされますが、「silent」の配信がここまでいくと、変わってくる。今後、テレビドラマでは「silent」の前と後、と言われるくらいの大事な作品になったんじゃないかなと思います。
で、このドラマを見ていて、作家性がとても強く出ているなと思ったんです。連ドラデビュー作なのに、脚本家・生方さんの作家性をプロデューサーさんがとても大事にしている気がしたのです。