では、男子ツアーはどうだろうか?

 昨季の男子ツアーは、賞金ランキング対象大会26試合のうち20試合で20代(大会終了時)のプレーヤーが優勝。若返りが進んだ。賞金王に輝いた比嘉一貴は27歳、シーズン2勝の河本力は22歳、ともに初勝利を挙げた大西魁斗、桂川有人はそれぞれ24歳と、女子ほど低年齢ではないがヤングパワーの活躍が目立った。

 スター不足と揶揄される国内男子ツアーだが、こうして若手が成長しツアーを席巻しようとしているのは明るい兆しだ。しかも今年は、昨年、パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップでツアー史上6人目のアマチュア優勝を成し遂げ、日本オープンゴルフ選手権で95年ぶりとなるアマ優勝を達成した蝉川泰果がフル参戦する見込みで、一足先にプロとなった中島啓太も日本と米国を行き来しながらプレーする予定となっており、国内ツアーにも参戦予定。こうした話題性のある若手プロも加わり、例年にない盛り上がりになる可能性も秘めている。

 注目は上記のプレーヤーたちだけではない。例えば24歳の清水大成は、初優勝が期待される若手だ。昨年は25試合で3,600万円以上を稼ぎ賞金ランク25位。Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメントで単独3位、ダンロップフェニックスで4位タイと優勝争いにも加わった。

 パットやショットでステディなプレーを見せているが、清水の売りは飛距離。昨年は平均302.72ヤードを飛ばし、河本に続いてドライビングディスタンス部門で2位に食い込んでおり、今年はティーショット以外もレベルアップすればニュースターになれる可能性は十分だろう。

 昨季ツアーの入場ギャラリー数は、女子ツアーが合計38万8,772人で1試合平均1万231人だったのに対して、男子ツアーは合計18万3,380人で1試合平均だと7.335人だった。新型コロナウイルス感染対策でギャラリー数を制限する大会があった他、天候などギャラリー数を左右する要素はあったが、それでも男子ツアーが女子ツアーに人気で差をつけられていることは間違いない。

 今回挙げた男子プロたちが、昨年ブレークした比嘉、河本たちと迫力あるプレーを見せて、ツアーを盛り上げてくれることを期待したい。