家計管理が苦手で、いつの間にかお金がなくなり、どうしても貯められない。子どもの教育費も準備しないといけないのに、家計簿をつけても続かない――。ここまで読んで、「自分のことだ」と思った人は少なくないだろう。
でも実はこれ、東京・銀座にオフィスを構え、ファイナンシャルプランナーとして活躍する鈴木さや子さんの告白。「ギャンブルやFXで大損して、取り返そうとしてまた大損して落ち込む」を繰り返し、貯金を取り崩すどころか、貯金がゼロになったこともあるという。
そんな鈴木さんが初の著書『資産形成の超正解100』を出版。貯められなかった時代の自分を振り返りつつ、資産形成のための具体的なアクションを示している。ここでは、鈴木さんの著書を引用しながら、お金を貯めるための最初のアクションとして、「貯めるための準備」を紹介したい。
「貯めるための準備」とは、ざっくり言うと「不安解消のための可視化」「買い物のためのルール作り」「何にお金を使いたいか優先順位を決める」の3本立てだ。
【貯めるための準備1】不安解消のために可視化することとは…?
まずは、「不安解消のための可視化」から。何を可視化するのかと言えば、現状の資産。つまり、自分がいま現在、どれくらいのお金を持っているのか、ということだ。
「将来お金が足りるか不安」と感じている人には、預貯金など自分の資産がいくらあるか把握していない人が多い、と鈴木さんは言う。不安をなくすためには、何はともあれ現状を把握することが大切なのに、「こわいから見たくない」とふたをしてしまっている、と。
実は資産把握にはメリットが多い。足りない金額を具体的に知ることができるし、必要十分なお金がないとわかればムダ遣いも減らすことができる。逆に余裕があるとわかれば、やりたいことに思い切りお金を使えるし、パートナーがいる人は互いの現状を伝えあって、共に資産形成に取り組むことができる。
確かに、「病気になっても3カ月は預貯金で生活できる」「資格取得の学校にお金を支払っても、30万円は残るから大丈夫」などとわかれば安心できるし、「学校に通うお金が20万円足りないから、まずは貯めよう」とすぐに行動を起こすこともできる。