もう、「サウナ戦国時代」だと言っていいだろう。ワイン樽や蔵を改装したサウナや、築100年以上の古民家を使った泊まれる隠れ家サウナなど、想像を超えるサウナが次々に誕生し、しのぎを削る。漫画やドラマ、SNSなどをきっかけに、若者や女性にも支持され、“おじさんたちが楽しむもの”だったサウナが、今や最も注目される“カルチャー”として存在感を増している。
フェスやキャンプなどのイベントには必ずと言っていいほど併設され、最近では自宅にサウナを造る人も珍しくない。正しい入浴法をマスターすれば、体の疲れをとったり、頭をスッキリさせたり、自律神経を整えたり……といった効果が期待できるほか、香りや映像を楽しんだり、アウフグースのパフォーマンスで盛り上がったりと、エンターテインメントとしても楽しめる。
ここまで読んで「アウフグースって何?」と思った人には、サウナの基本と奥深さを同時に知ることができる『GO!SAUNA & SPA GUIDE [関西+全国編]』が役に立つ。個別の用語は、本に収録された用語集を見ていただくとして、この本の中から3人のプロサウナーへのインタビューを公開したい。
サウナドクター、サウナブームの立役者、プロアウフギーサーの3人だ。
サウナドクターが教える
MAXととのうサウナの入り方
加藤容崇医師は、日本サウナ学会代表理事も務めるサウナドクター。『医師が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)などの著書もあり、サウナの効能を科学的に解明する研究に取り組んでいる。
加藤医師が勧める基本のサウナの入り方は、「サウナ→水風呂→外気浴」の基本セットを繰り返すという方法だ。
「サウナ→水風呂→外気浴を1セットとして、3回ほど繰り返すのが効果的です。サウナでは、高温という極限の環境に体が順応しようとすることで、生存本能(交感神経)が働きます。そこから水風呂に移ると、極限まで温まった体が急激に冷やされ、再び体が順応しようと生存本能(交感神経)にスイッチが入ります。そこから外気浴へと移行すると、『もう安全だ』と判断した体がゆるまって、通常よりも深いリラックス状態に入ります。結果、血流が増加し、体が軽くなるのです」