「サウナ室を出る時間は施設や体調によって体の温まり方が違うので、心拍数が軽く運動したときの心拍数と同じくらいになったら、が目安。“ととのう”という感覚は、体内に、極限状態からリラックスへという目まぐるしい変化を起こすことで得られるのです」
具体的には、サウナにはどのような効果があるのだろうか。
「サウナの効果はいくつかあります。一つは、疲労感がとれて思考がクリアになる、ということです。そもそも脳疲労の原因は、何かを考えてしまうこと。サウナに入ると高温に対応しようと思考が強制的に停止され、結果的に脳疲労が軽減されるのです」
「二つ目は、肩こりや腰痛などが改善すること。温熱効果によって硬くなった筋肉がほぐれ、血行がよくなるからです。血液が体を疲労させる物質を運び去るので、体がスッキリします」
「三つめは、集中力がアップすること。サウナに入ると、リラックスしたときに出る脳波であるα波が正常化します。α波の正常化は、認知機能や集中力の向上につながると報告されています」
ととのえ親方が仕掛けた
サウナのリブランディング
“ととのえ親方”こと松尾大さんは、昨今のサウナブームを語るうえで欠かせない人物。このサウナブームの仕掛け人と言ってもいい。ずばり、このブームをどう作り出したのか。
「ブームのきっかけを作ったのは、間違いなく『マンガ サ道』を描いたタナカカツキさんですね。彼の漫画によって50 ~ 60代の、昔から銭湯に通っていたおじさん層に広まった。そこにYouTuberなど若い層に影響のある人を結びつけてサウナを“リブランディング”していったというのが僕らなんです。それまでは古くさいイメージのあったサウナが、今では最も“イケてる”コンテンツとして認知されているのはうれしいですよね」
いま、人気のサウナの特徴は?
「やはり根強い人気は奇をてらっていないスタンダードなサウナですね。昔ながらのドライサウナのみだった施設も、熱したサウナストーンに水をかける“ロウリュ”の設備を新たに導入することによって、息を吹き返している」