落語家の笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい)さんが、急性大動脈解離のため死去した。66歳だった。笑福亭さんは2015年12月にもゴルフのプレー中に急性大動脈解離を発症してドクターヘリで救急搬送され、約2週間入院していた。2018年に発刊された週刊朝日ムック「突然死を防ぐ脳と心臓のいい病院2019」で、発症したときやその後の生活について語っていた。そのインタビューをお届けする。
【写真】笑福亭笑瓶さんが明かしていた…背中のけ反り「痛い!痛い!痛い!」
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――発症したときの状況を教えてください。
2015年12月29日、打ち納めと称して後輩の神奈月君と出かけたゴルフ場で、4ホール目を終えたときでした。朝9時半ごろです。パリパリッという違和感がからだの中を駆け抜けた後、背中にそれまで経験したことのないような激痛が走り、その場に倒れ込みました。フェアウェー上だったので、とりあえず移動しようと神奈月君の肩を借りようとしましたが、一切動けませんでした。
痛いことで有名な尿路結石にも以前かかりましたけど、その比じゃなかったですね。数倍、いや数十倍くらいかな。全身が硬直して、背中が痛いからのけ反った状態で「痛い!痛い!」とずっと叫んでいたと思います。叫ぶことでなんとか痛みを発散したいと思ったんでしょうね。このまま死ぬかもしれないと思い、神奈月君に家族への言葉を託そうとしたら、「嫌です!死なないですから!」って。そのときはがっかりしましたけど(笑)。
――その後、救急車が来たときのことは覚えていますか?
まず救急車が来て、救急隊員の方にいろいろ聞かれました。そして、僕が以前、テレビ番組で上行大動脈瘤の恐れありと診断されたのをお伝えしたことで、ドクターヘリでの搬送となったようでした。ドクターヘリが到着し、搬送されている間、救急隊員の方に痛み止めを投与されながら、「先程の痛みが10なら今の痛みはいくつ?」と聞かれました。「7!」と僕が答えると、投与量を調整したようでした。