「大量の検査をしないというのは世界に類を見ない暴挙です。感染症を専門としている人間にとって、この発想はあり得ない。感染症対策のイロハのイは、誰が感染しているかをきちんとつかむことです」(毎日新聞2020年6月30日)

 なお、彼らの同級生で大学トップとなったのが、元・立教大総長の吉岡知哉さんである。

 植田さんより若い学者を見てみよう。

 名古屋外国語大学教授・東京大学名誉教授でロシア文学者の沼野充義さん(1973年卒)は、ロシアによるウクライナ侵攻後のロシア語人気薄について、ツイッターでこう嘆く。

「ロシアで悪いことがあると、日本ではロシア語学習者は激減する。嫌なものからは逃げるのが国民性だ。アメリカでは逆に学習者が増えるという。ロシア語の重要性が増し、その知識がキャリアにも有利になるというポジティヴ思考というべきか。日本ではロシア語をやっているだけで、変人扱いされかねない」(2022年3月11日)

 京都大学名誉教授・京都大レジリエンス実践ユニット特任教授で地球科学者の鎌田浩毅さん(1974年卒)の専門は地球科学、火山学、科学コミュニケーションだ。「科学の伝道師」と称し、「世界一受けたい授業」「課外授業 ようこそ先輩」などに出演した。著書に『富士山噴火と南海トラフ』(講談社)、『地球の歴史』(中公新書) 、『火山噴火』(岩波新書)など入門書が多い。

 鎌田さんの同学年には、演出家の野田秀樹さんがいる。2人で対談本を出したことがあり、そのなかに登場する同級生がおもしろい。

「野田 ・・なんかは、コンサイスの英語辞書の単語を全部覚えるようなやつだった。

 鎌田 うん、外務省に入った。

 野田 そう。ときどき俺が試験すると、ちゃんと答えるの。これは絶対に覚えていないよねというのでも覚えてる。ところがそういうくだらないのまで覚えているから、英作文すると、全然普段使わないような単語を使ってくるわけ。だから間違いになっちゃう」(『野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる』ミネルヴァ書房 2018年)

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