カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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 東日本大震災をきっかけに何度も福島に足を運んでいるお笑い芸人のカンニング竹山さんは、12年目の今年の3月11日も福島に入る予定だ。12年たったいま「冷静に考えるべきでは?」と思っていることがあるという。

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 東日本大震災から12年ですが、3月11日には東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉郡)でトークセッションに参加したり、福島県でのバラエティ番組などの仕事で、今年も福島に行きます。

 2011年3月11日から12年たって、震災の記憶は忘れ去られてしまっていく部分も多いですが、僕は、以前から言っているように、復興支援には「とにかく福島に遊びに行ってみてほしい」。

 東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所が津波でやられて、あんなことになって、原発のことを語るのを毛嫌いする人もいる。一方で、日本が置かれているエネルギー問題は考えていかなければならないことであるのも事実。だからこそ、「震災で東京電力福島第一原子力発電所はあんなことになってんじゃん! だから原発は絶対反対」ではなく、福島第一原子力発電所の状況と日本のエネルギー問題とは、ちょっと分けて考えませんか? 

 福島第一原子力発電所は津波でやられてしまったわけで、いま廃炉に向けて進んでいます。その原発と日本の置かれているエネルギーの問題を一緒に考えてしまうと、先に進まない気がしてならない。もうちょっと冷静にというか、もちろん原発に反対している人の意見も聞く、また、そうじゃない人の話も聞く。まずは、知ってもらうことは大事かなと思っている。例えば、いま東京電力福島第一原子力発電所がどのような状態になっているか、こんな処理をしていますよとかからでもいいから、少しでも知ってくれたらいいなと思っている。

 いろいろな点から日本は原子力発電所に依存してきたのは事実です。福島第一原子力発電所が吹っ飛んだ映像を見て、「だから原発は危ない」という意見に流れて、では、いま日本全国にある原発を全て廃炉にするとなったら、いったいお金がいくら必要で、どれくらいの期間がかかるのか? そんなところからでもいいから知ってもらうことが必要なのではと思っています。

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いまある原発がなくなって日本のエネルギーは?