福島第一原子力発電所で発生した「処理水」のタンク
福島第一原子力発電所で発生した「処理水」のタンク

 莫大なお金がかかるから全部を廃炉にする考えがダメだと言いたいわけではなくて、全部なくそうというという意見があったとしても、それはそれで否定はしませんよ。でも、いまある原発をなくして日本のエネルギーは全てまかなえるのか? だから、日本のエネルギーの問題は、それはそれとして考えていかないといけないと思うんです。

 岸田文雄首相は3月1日の参院予算委員会で、原発の60年超運転を可能にする関連法改正案を巡り、審査などによる停止期間を運転年数から除外する理由を問われ「(現行法では運転上限の)40年、60年は、原子炉の寿命を示しているものではない」と述べていました。急にそんなこといわれても、「なんで、40年じゃないの? なんで60年という数字が出てくるの?」っていうのをもう少し分かりやすく説明してくれればと思う。簡単にいうと、停止していた期間は原発は消耗してないって話をしているんですよね。

 福島第一原子力発電所で発生した放射性物質を含む水を浄化した「処理水」のことや除染作業で出た「除染土」の話ももっともっと現実的に、「じゃあどうするのよ」ってことを考えていかないといけないと思う。新宿御苑(東京・新宿)に再利用のために除染土が運び込まれるけど、花壇に使用し、その土壌から生じた浸透水も集めて検証していくんですよね。

 こうした問題に関しては、震災から12年がたちましたが、これからも年月をかけて歴史が実証していくというか、ひとつひとつ進んでいくしかないと思います。もちろん科学に基づいてね。

 東日本大震災の報道は「あれから12年」という話になりがちで、震災のときに生まれた命にクローズアップしたり、復興していったドキュメントなどが多くなるんですが、それはそれでいいと思います。復興していくこと、それを支援していくことはもちろん大事なことです。でも、現実的なこともひとつひとつ進めていかないと。

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現実的な話をすると「竹山は……」と言われる