SixTONESは現在、全国ツアー「TrackONE─IMPACT─」を開催中だ。初日の横浜アリーナでは、デビュー曲をファンの前で初めてフル歌唱したが、ソロをとっていた京本さんが声を詰まらせて号泣。結果を出し続けたことでようやくつかんだ悲願のデビューに、全員で涙する一幕もあった。
Snow Manの前身となる「Mis Snow Man」は09年に結成され、そのころから「滝沢歌舞伎」などに出演。12年5月に岩本照さん(26)、深澤辰哉さん(27)、渡辺翔太さん(27)、阿部亮平さん(26)、宮舘涼太さん(26)、佐久間大介さん(27)の6人でSnow Manを結成した。迫力あるダンスと派手なアクロバットに定評があり、そのスキルの高さから先輩グループのバックダンサーを多く務め、舞台でも活躍してきた。だが、どこか前に出すぎない、職人集団という雰囲気もあった。
その雰囲気を一変させたのが、19年1月の新メンバーの加入だ。当時15歳だったラウールさん(16)、関西ジャニーズJr.を牽引してきた喋り上手の向井康二さん(25)、モデルとしても活躍する目黒蓮さん(22)の3人が加わり、9人体制のSnow Manが誕生したのだ。
当然、ファンの間で賛否両論が巻き起こった。そんなとき9人が任されたのが、19年の「滝沢歌舞伎ZERO」だった。
滝沢歌舞伎は06年、「滝沢演舞城」の名前でスタートした、滝沢秀明さん主演の時代劇ミュージカルだ。18年に滝沢さんが芸能界を引退したことで、Snow Manがメインキャストを引き継いだのだ。プレッシャーを伴う仕事に一丸となって立ち向かうなかで、グループの絆は深まっていった。
公式YouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」では、メンバーの人柄のよさが伝わる動画が、次々とアップされた。最年少のラウールさんが食べたい寿司ネタを当てる、ラウールさんが喜ぶお土産を競い合うという動画からは、「ラウールを見守る8人のお兄ちゃん」という構図が浮かび、新たなファンの獲得につながった。昨年3月に横浜アリーナで行われた単独ライブは、大盛況のうちに幕を閉じた。佐久間さんはこう振り返る。
「正直、最初はぎこちないところはありました。でも、滝沢歌舞伎や横浜アリーナでのライブといった大きな仕事を経験し、メンバー一人ひとりが自分の責任を実感した。その経験を経て、今の素晴らしい形になれたのだと思います」
2組同時デビューが発表されたのは19年8月、19年ぶりとなるジャニーズJr.単独ドーム公演でのことだった。同年6月16日、ジャニーさんが倒れる2日前に下した決断だ。多くの思いを背負い、1月22日、2組のデビューは現実のものとなる。(ライター・大道絵里子)
※AERA 2020年1月27日号より抜粋