まず現在はインターネットで有名選手の映像をいつでも見て、イメージトレーニングができる。各チームで研究が進み、効率的なフォームが確立された。
かつて伊藤は、カルガリー五輪後の凱旋ツアー中に、ブライアン・オーサーのトリプルアクセルを見て研究し、帰国後に記憶に頼りながら試行錯誤したという。浅田は、プロ転向した伊藤が目の前で練習していた。そんな貴重な機会がなければ、昔は練習すらできなかったのだ。
またハーネスという補助具が発達した。真上に吊り上げる補助具で、回転軸や飛距離をサポートし、感覚を身につけるもの。先に成功体験をすることで、間違ったフォームで練習するような“回り道”がなくなった。(ライター・野口美恵)
※AERA 2019年11月20日号

