被害総額60億円以上とされる「ルフィ」ら犯行グループによる詐欺事件。指示役と実行犯を結ぶ連絡ツールとして知られるようになったのが、メッセージアプリ「テレグラム」だ。設定した時間でメッセージを消すことができるなど秘匿性が高く、それが犯罪に悪用されている。ルフィの名で指示した疑いが持たれる一連の強盗事件の全容解明はできるのか。警察の「デジタル捜査」の力が問われる。
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テレグラムは、ロシアのIT技術者が2013年に立ち上げたサービスで、LINEのようにメッセージや画像などを送受信できる。ダウンロードしてスマートフォンの番号を登録すれば誰でも無料で使うことができる。
ロシア当局からの干渉や言論弾圧を避ける目的で、プライバシーを保護するための機能がいろいろと備わっている。
例えば、設定した表示時間が経過すると、自動的にメッセージが消去され、やりとり後も履歴を残さずに済む。スクリーンショット(スクショ/画面保存)すると相手に知らせる機能や、一部の端末ではスクショ自体ができないなど、情報を記録しづらい仕組みになっている。
当初は国内に拠点があったが、ロシア当局から規制を受け、現在は国外にあるという。
秘匿性の高さから、2019年の香港の民主化デモや、2021年のミャンマーの国軍に対する市民の抗議デモなどでも使われた。報道を見ると、ウクライナのゼレンスキー大統領もテレグラムから発信しているようだ。
一方で、ルフィの強盗事件のように、犯罪グループの連絡手段や証拠隠蔽(いんぺい)などにも使われやすい。とりわけ、テレグラムのシークレットチャットと呼ばれる機能は、やりとりのデータが高度に暗号化されるため解析が困難とされてきた。
警察関係者は、
「テレグラムが解析できずに立件を諦めた事件もある。ルフィの強盗事件も、指示役や実行犯から押収したスマートフォンをどこまで解析することができるか。全容解明に向けてそこが最大のポイントになる」
と話す。