実は探究堂の教室から京都御苑までは歩いて5分ほどの距離しかありません。ただ、京都御苑の周りは石垣と樹木で囲まれているため、最寄りの入り口(石薬師御門)までさらに数分かかってしまうというわけです。
私たちは石垣沿いをのんびり歩きながら、たくさんのどんぐりを発見しました。
「文さん、こんな緑色のどんぐり見つけた!」
「あっ、帽子つきのやつも落ちてる!」
「なんか、このどんぐり、途中で色が変わってるで!」
少し見上げると、アラカシの木の枝が道路側に大きくせり出しています。
じめじめした天気を好むからなのか、石垣のあちこちにカタツムリも発生していました。
ぷれりかキッズはカタツムリにすっかり夢中の様子で、なかなか入り口までたどり着きません。
そうこうして、ようやく京都御苑の中に入り、みんなで地図を見ながら採集場所を再確認しました。
今回は石薬師御門からほど近くの「母と子の森」と呼ばれるエリアを探索することに。
鬱蒼とした森の中には先ほどのアラカシとは異なるどんぐりが落ちていました。
クヌギ、アベマキ、コナラ……。それぞれ手に持った袋にお気に入りのどんぐりを一つまた一つと拾っていきました。どんぐり拾い隊のメンバーは満足げな表情を浮かべます。
とは言え、広大な敷地を誇る京都御苑には数多くの樹木が植えられています。たくさんの種類のどんぐりを集めるために、これから何度もこの場所に来ることになるでしょう。
どんぐりプロジェクトはまだ始まったばかりです。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。