富永啓生(※画像は東京五輪では3x3男子日本代表としてプレーした時のもの)
富永啓生(※画像は東京五輪では3x3男子日本代表としてプレーした時のもの)

 米大学バスケットボールのNCAAディビジョン1の舞台で奮闘する富永啓生が、ネブラスカ大学での2シーズン目を終えた。

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 シーズンで16勝16敗、所属するビッグ10カンファレンス内では9勝11敗だったネブラスカ大は、第11シードでビッグ10カンファレンストーナメントに出場。現地時間8日にシカゴのユナイテッド・センターで開催された1回戦でミネソタ大と対戦し75対78で敗れた。

 この日の富永は、36分間プレーし14本中8本のシュートを成功させるなどチームハイの23得点をマーク。3点ビハインドで迎えた試合残り20.5秒に、ドライブから1点差に迫るレイアップを決めて望みをつないだが、センターライン付近から終了間際に放ったロングシュートを外し敗退。全米が注目するNCAAトーナメント出場を逃したことで、富永のシーズンも終わった。

 今シーズンの富永は、大きな飛躍を遂げた。前半戦こそベンチスタートが多く思うようなプレーができない場面もあったが、シーズン終盤になって覚醒した。現地時間2月6日のペンシルバニア州立大戦でキャリアハイの30得点を叩き出すと、ここから5試合連続で20得点以上を記録し、次戦で11得点を挙げると、次のゲームで再び20得点をマーク。ペンシルバニア州立大戦からは全ての試合で30分以上コートに立つなど、チームNo.1の活躍を見せた。

 シーズン平均は、32試合中14試合でスターターを務め13.1得点。得意の3ポイントシュートは165本中66本を沈め成功率40.0%だった。こうしたスタッツは30試合プレーした昨年の5.7得点、109本中36本の3ポイントシュート成功で成功率33.0%という数字と比べると驚異的な飛躍といえるだろう。

 特に5試合連続で20得点以上した期間の富永は圧巻だった。シーズン平均13.1得点と聞くと、そこまでの数字には感じられないが、この期間の富永のアベレージは23.6得点。同期間のチームの平均得点は73.8得点だったので、チーム得点の約32%を富永が挙げていたということになる。

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今後の富永の去就は?