そこから40年たって、さらなる大きな奇跡。昨今あまり言われなくなった「アメリカンドリーム」の言葉を持ち出しました。こんなにアメリカンドリームという言葉が似合う人はいません。そして。「夢は信じるものです。私は諦めかけた時もあります。どうか、夢を持ち続けてください」という言葉。何歳になっても夢を持ち続けた人だけが夢がかなう権利がある。諦めた時点で、そこから離脱していく。

 そのあと、作品賞の発表の時。プレゼンターはハリソン・フォード。今回、スピルバーグも「フェイブルマンズ」がノミネートされていたため、席に座っていた。「インディー・ジョーンズ」の主演と監督が向かい合う場所にいる。

ハリウッドのアカデミー賞授賞式の会場
ハリウッドのアカデミー賞授賞式の会場

 ハリソン・フォードの口から出た作品の名前は、スピルバーグの作品ではなく、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でした。その直後、監督、キャストがステージに上がってくる。クァンも。すると、ハリソン・フォードとクァンがステージの上で抱擁。インディー・ジョーンズのあの名コンビが。トロッコに乗ったあの二人が、抱き合っている。40年の時を超えて。そしてそれを見てほほ笑んでいたのは・・・スピルバーグ。

 もう涙が止まらない。おじさん同士の抱擁を見てこんなに泣くことありません。

 映画って映画の外にも大きな物語が生まれるんですよね。僕の一個年上のクァンの姿を見て、50歳過ぎても夢は持ち続けようと強く思いました。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。作・演出を手がける、今田耕司×鈴木おさむの第8弾舞台『正偽の芸能プロダクション』が3/15(水)~19(日)よみうり大手町ホールにて上演。

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鈴木おさむ

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鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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