瀬尾:すごく喜んでくれました。「あなたの結婚式までは生きていると思うから行くわね」と言ってくださったんです。
高橋:実現して良かったですね。最後に、忘れられない言葉三つ目はなんでしょう?
瀬尾:「自分のことばかり考えてはダメ。宇宙と自分、世界と自分、日本と自分、をいつも意識しなさい」です。
高橋:この言葉はまなほさんが活動されている「若草プロジェクト」にも繋がってくるんですよね? どんな活動ですか?
瀬尾:元厚生労働事務次官の村木厚子さんと、瀬戸内の昔からの知り合いの弁護士の大谷恭子さん、そして瀬戸内が呼びかけ人となり、貧困や暴力、いじめ、性的搾取など、さまざまな問題に苦しむ若い女性たちに寄り添うプロジェクトです。
高橋:将来がありながら、厳しい現実を生きてきた女の子たちに寄り添っていくというプロジェクト。こういうことから目をそむけないことは大切ですよね。
瀬尾:私自身ボランティアなどに興味がありませんでした。でも、瀬戸内のもとで年齢も重ね、自分以外の誰かのために何かをするということがやはり大切なんじゃないか、社会との繋がりを持つべきなんじゃないかということを、瀬戸内のこの言葉を通じて教えてもらいました。
高橋:素敵ですね。ご著書を読んでいても、お二人は本当にいい関係だなと思います。
瀬尾:いつも思うままに書いています。この本では、私が瀬戸内を大切に思う気持ちと、どなたかが誰かを思う気持ちが通じるのではと思っています。
高橋:温かい気持ちになるし、背中を押されました。
瀬尾:京都旅行を兼ねて寂庵にぜひいらしてください!
(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2019年10月7日号
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