「まずモノの手放し方がわからないんです。子どもたちが園で毎日作って持って帰ってくる工作とか、どうしようって」
子どもの作品や思い出の品は、手放すのをためらいがち。それでもプロジェクトで学びながら少しずつ手放し始めると、美沙子さんの手が次第にスピードアップしました。
「家の中の不要なモノをいっぱい集められると、すごくうれしくなりました。一緒に始めた仲間たちがSNSでたくさんのゴミ袋の写真を載せると、うらやましくなったりして」
マラソンにもよく参加していて負けず嫌いな美沙子さんは、仲間たちと切磋琢磨することで片づけのコツを習得。
「仲間たちと朝6時から寝起きのスッピンで10分だけ片づける“朝活”に参加したら、『ここでは飾らなくていいんだ』と思えました。ちょうど仕事が忙しくて時間もない時期でしたが、やれるだけやろうとスイッチが入りましたね」
■隙間時間も奮闘
海外ロケなど泊まりがけの仕事で片づけができないときは、飛行機の中で「帰ったらキッチンのシンク下を片づけよう」と計画を立てたり、きれいな家の写真を探したりしてイメージトレーニング。帰ってからシンク下の配置を変えることをひらめき、実践すると驚くほど使いやすくなりました。仕事の合間や子どもの送り迎えのわずかな隙間時間で、収納用品を買いに自転車を走らせたことも。奮闘する美沙子さんの姿を、家族はしっかり見て応援してくれました。
「あとで捨てに行こうと思っていた大量の段ボールの束を、夫がいつの間にか捨ててくれました。友だちにも私のことを『片づけをすごくがんばっている』って話してくれていたみたい」
長男はお気に入りのキャラクターカードの置き場を作り、遊んだ後は片づけるように。
「本当にびっくりしました! いつの間にかマネしてくれたんですね」
まだ5歳なのに、自分で片づけの仕組みを作って実践できていることに、私も驚きました。
■「逃げちゃいけない」
美沙子さんが「片づけのラスボス」と認識していたのは、自分の洋服やバッグを押し込めたウォークインクローゼット。