分かっていても、なかなかできない「片づけ」。タレントの安田美沙子さんが、お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんに弟子入り、本気で挑戦した結果は。AERA 2023年1月2-9日合併号より紹介する。
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苦手なことを無意識に遠ざけてしまうのは、防衛本能かもしれません。「片づけ」に対して苦手意識があり、目を背け続けた結果、家の中も生活もグチャグチャになってしまう人が世の中には多いと感じます。
安田美沙子さんもそんな一人。タレントという仕事の裏では、散らかった家の中で家事と育児に追われる日々でした。
「『片づけって何?』という状態でしたね。 “片づけ”という言葉を聞いたら、耳がキーンとなって聞こえなくなったんです。体が拒絶していました」
私との初対面のとき、美沙子さんは「片づけの先生に会う」ということで服装や所作に気をつけていたそうです。
「バレる、見透かされる、と思って緊張していました」
昔から片づけが大の苦手。洗濯担当の夫がたたんでくれた洋服をクローゼットに戻すこともできず、ランドリールームにタワーのように積まれていました。そのタワーが高くなりすぎて夫の洗濯物の近くに倒れたとき、夫から「俺のエリアには入らないで」と言われたことも。
「夫はきれい好きなので、自分のエリアだけは守ると決めていたようです。母もきれい好きなので昔から片づけは言われていたけれど、なぜか素直に受け入れられませんでした」
■イライラ募る毎日
もちろん、片づけてみたこともあります。でも、なぜかさらに散らかってしまいました。探し物に時間と体力を費やし、家事が回らずにイライラが募る毎日。何かあると子どもたちにも大きな声で怒っていました。
そんな彼女に、45日間で家の中を片づける「家庭力アッププロジェクト(R)」の話をしても、ピンときていない様子。
「片づけるメリットもわからなかったんです。何をするのか、何を学ぶのか、イメージができなくて」
挑戦をゼロから始めた彼女の心が早々に折れかけます。