「アフリカの選手たちはラストスパートが得意です。ゆっくりしたペースで入り、最後で勝負する。日本の選手たちはだいたいそれについていけなくて、メダルを逃してきました」

 増田さんが予想するのは、MGCのように最初から飛ばしていく展開だ。前田が所属する天満屋の武冨監督らも、「そうでなければ勝てない」という考え方だという。一山が飛び出し、前田が独走した今回のレース展開は「まさにリハーサル」だったと増田さんは考える。

 気になるメダルの行方は?

「前田さんは今回のようなレースが本番で出来れば、チャンスがあると思います。鈴木さんも暑さに強いし、前半からの速いペースについていける“スピード持久力”を向上させれば、メダルは可能です」

 今後、男女ともにあと1人ずつが追加で代表に決まる。指定大会で記録の基準を満たした選手の中から選ばれ、基準を満たす選手がいなければ、男子はMGC3位の大迫、女子も3位の小原怜(天満屋)が権利を得る。本番のレースは、女子は来年8月2日午前6時、男子は同9日の午前6時の号砲だ。(編集部・小田健司)

AERA 2019年9月30日号より抜粋

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