2歳児がひとたびハマったら、それはあっという間に毎日の日課に変わります。初めて割ったその日から、彼女は毎朝「たまごちょーだい!」と笑顔で両手を差し出してくるようになりました。

 そして1週間が経ったとき、娘が「ママ!!たまごのキイロこわれてない!」と大声で叫びました。遂に大進歩を遂げたのです! 卵というものを頭で理解し、それに連動して手も動かせるようになったのです。こちらも驚く程の成長ぶりに「大人の先入観で、子どもにはできないと思っていることでも、チャンスをあげればできるようになるんだ」という思いが湧き上がりました。

 そして、まさに「キイロがこわれなかった」瞬間に娘から全身全霊で放たれた、「ママ!私にもできた!!」という喜びの気持ちと、自信に満ち満ちた輝く目。これが母として何より嬉しく、私は子どもと一緒に料理をするようになりました。

「できた」が大きな自信になる。私は料理を通じて子どもにたくさんの失成功体験を積んで欲しいと思っています。その時の最大のポイントは、子どもを信じて任せてみること!

 ……とはいうものの、子どもと一緒に料理をするのは、いつもよりも時間がかかってしまうのはたしかです。忙しい時に卵が飛び散るのは誰だって嫌ですよね。心の余裕がある時、急いでいないときに挑戦させてあげましょう。これは大切!

 イライラしないためには、「失敗は成功の一個前」という思いを親子で共有することです。「リトルシェフクッキング」の子ども料理教室では、「失敗しても悲しい気持ちにならない。なぜなら失敗は成功の一個前だから」を約束事とし、毎回レッスンの前に伝えています。失敗に対してマイナスの気持ちではなく、プラスの気持ちを持つことで、親子ともに失敗を恐れずに挑戦できます。「失敗は成功の一個前!」は、楽しく子どもと料理をするための魔法の声かけなのです。

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