医学博士で国内外の特別支援教育に詳しい竹田契一・大阪医科大学LDセンター顧問によると、米国ではASD、ADHD、LDという障害別の学校が多数あるという。

「アメリカは、『インクルーシブ教育』が盛んで、誰もが望めば、合理的な配慮のもと普通学級で学ぶという大きな流れがあります。でもその一方で障害別の学校もある。それは障害の特性に合わせた学び方をすると子どもがものすごく伸びるということが、実証されているからなんです。やるべきこと、やれることがわかっているのに、日本の教育現場では、なかなか採用されない。本当に歯がゆいです」(竹田さん)

 通常学級で学ぶのか、特別支援学級で学ぶのかは、多くの当事者にとって悩ましい問題だ。学び方にも唯一の正解はない。だが、「わかる経験」をすることで、子どもが変わることは確かだ。日々進化するテクノロジーを使うことで、いま困っている子どもたちが一歩でも二歩でも前に進め、自らの可能性を広げられるのなら、大人の側が躊躇すべきではない。(編集部・石臥薫子)

AERA 2019年6月24日号

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