とはいえ、今や情報流通の主流はSNSに移り、有名雑誌が次々と休刊していく時代。洋服も化粧品も食べものも、大好きなインスタグラマーやユーチューバーが無料で発信している。
新生eggは、そんなネットの力をフルに生かすことを目指した。復刊資金はクラウドファンディングで呼びかけ、目標金額の100万円を大きく上回る204万円を集めた。さらに、誌面のあちこちにURLやQRコードがちりばめられている。
「たとえば、どのメイク道具を使ったのか、一目で分かりやすいのは雑誌です。でも、メイク方法は動画のほうが細かいところまで伝わるじゃないですか」
モデルの募集も様変わりした。
「路上スカウトではなく、SNSの写真を見て探しました。一人イケてる子がいると、その子の友達もギャルや可愛い子が多い。イケてる子って、渋谷の街にいる別の子とつながりを持っているんです」
イケてる子と言っても、決して見た目が派手な子だけがギャルというわけではない。eggのページをめくれば、黒髪や色白の女の子も登場する。赤荻さんは言う。
「今も昔も、明るくて仲間意識がある子、周りの目を気にせず、自分がいいと思ったことをうまく表現できる子たちがギャルなんです」
公式YouTubeチャンネル「egg Channel」の登録者数が11万人を超えるなど、ネットでの反響は上々。一方で、雑誌版eggの収益性はまだ見通せない。秋には次号の発売を予定しているが、その先は“反響次第”だ。(編集部・福井しほ)
※AERA 2019年6月17日号