ツアー屈指の人気を誇る原英莉花も“黄金世代”の一人だ。ツアーの優勝回数こそ4回と、ここまでに挙げた4選手と比べれば劣るが、2020年に日本女子オープン、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップとメジャーで2勝しており大舞台に強い。

 2021年の大王製紙エリエールレディスオープンで4勝目を挙げた後は未勝利で、2022年のメルセデス・ランキングも31位と納得がいくものではなかっただろうが、その存在感は抜群。昨年はツアーのアンバサダー役「JLPGAブライトナー」6名のうちの一人に選出されており、ツアーのPR役としても期待されている。こちらもツアーの顔として、2シーズンぶりの優勝が待たれるところだ。

 渋野と仲の良い大里桃子も“黄金世代”の一角だ。2017年にファイナルQTの資格でツアー参戦していたが、2018年7月にプロテストを3位で通過すると翌月のCAT Ladiesでいきなりツアー初優勝。その後2年間、勝利から遠ざかっていたが、2021年にはほけんの窓口レディースでツアー2勝目を挙げている。身長171センチと体格にも恵まれており、これからさらなる飛躍が期待できるだろう。

 植竹希望と高橋彩華は、昨年、念願のツアー勝利を挙げた“黄金世代”だ。植竹はKKT杯バンテリンレディスオープンで優勝し同世代10人目のツアー覇者になると、高橋はフジサンケイレディスクラシックで勝利し同世代11人目の優勝メンバーに。ともにコロナ禍でも安定した成績を挙げており、今季はさらなる飛躍が求められている。

 一方、ここまで取り上げた“黄金世代”に少し差をつけられ始めているのが、新垣比菜、河本結、淺井咲希の3名だ。新垣は2018年にツアー初勝利を飾ると、河本、淺井は2019年に初優勝。その勢いでさらなるステップアップが望まれたが、3者ともこの1、2年は厳しい戦いを強いられている。

 まず新垣は、2022年に富士通レディースで単独3位になったものの、予選落ちが続きメルセデス・ランキングは85位。ステップアップツアーの京都レディースオープンで優勝する明るい話題もあったが、2シーズン連続でシード権を失い今季はQTランキング14位での出場となった。

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“黄金世代”の2023年シーズンはどうなる