「魚を食べる習慣が多かった60年代までの日本では、日々の食事の魚と肉の比率が2:1でした。肉食化が進み、12年にはこの比率が逆転し1:5(18~49歳平均)にまで開いています。魚から取れるいい油の栄養素が減っているので、いい油でバランスをとりましょう」(同)

 ランキングの「その他」はリノール酸や、人体で合成できる飽和脂肪酸が多いものなので、健康のために取る油というわけではない(表参照)。しかしバターには独特の甘い香りやうまみがあり、綿実油は香ばしくサクッと揚がることで天ぷら店などで昔から重宝される。栄養面だけで、旨さの満足感を捨てるのはもったいない。取りすぎによる弊害を自覚しつつ、油と上手に付き合っていくことが、飽食の日本でおいしく健康的に生きるための基本ルールだ。(フードライター・浅野陽子、編集部・中島晶子)

AERA 2019年4月26日号-2019年5月6日合併号より抜粋

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