橋本:そうですね……難しいことは全然分かんないですけど、自由なようでいて、自由じゃないって空気は分かります。でも僕は、わりと自由にやってるかなぁ。
──橋本さんは恐れずに自分の意見を貫けるタイプですか?
橋本:貫き通したい人ではありますけど、やっぱり普段はグループで活動しているので、難しいこともあります。
──様々な場で活躍中のお二人ですが、舞台ってどういう場所ですか?
橋本:自分を成長させてくれる場所ですね。本番が始まったら逃げ場がない。噛んでもどんなハプニングが起きても続けなきゃいけないから、心が強くなる。この挑戦も楽しみなんです。
堤:僕は人生で「あ、これをやりたい」って初めて思えたものが舞台なんです。体を動かすのが好きだったから、まずアクションを始めたんですが、そこでたまたま坂東玉三郎さんの舞台の黒衣を手伝う機会があって。本番が始まったら衣装からセットから照明から見たこともないくらい美しくて、また泉鏡花の「天守物語」だったから幻想的で。うわぁ、こんな自由に飛躍していい世界があるんだって感動して、この先ずっと舞台に関わりたいとそこで思ったんです。その強烈な体験は残ってるし、やっぱり今でも戻りたくなる場所なんでしょうね。
橋本:でも、この作品も舞台上に35人もオーケストラがいて、一緒に芝居をするという意味では、見たこともない舞台になりそうですね。
堤:いやホント。なんか難しそうなことを言いましたけど、今舞台上でなにが起きているか意味を考えながら観るよりも、もうダラ~ッと眺めてもらった方がいい気がする(笑)。身構えずに楽しんで観にきてほしいです。
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2019年4月15日号