脳梗塞データ
脳梗塞データ

「できれば入院初日から開始できるのが理想です。患者さんの状態により無理は禁物ですが、寝た姿勢のまま腕や脚を曲げ伸ばしする訓練は初日からできることもありますし、早くリハビリを始めたほうが治療効果は高いでしょう」(同)

 急性期の治療をおこなう病院は、原則として約2週間で退院となる。その後も継続的なリハビリが必要な場合、回復期リハビリ病院などに転院する。

「病院にはそれぞれ役割があり、急性期病院は発症直後の脳卒中治療に専念することが使命です。急性期を過ぎ症状が安定したら、リハビリのためのシステムとスタッフが充実している病院に移ることが、効率よくリハビリを進める上でも有効と考えます」(同)

 脳梗塞の治療を多くおこなっている病院であれば「リハビリ病院とも連携できているはず」と森本医師は言う。

「もし患者さんやご家族がリハビリ病院を探さなければならない場合でも、病院にいるソーシャルワーカーが患者さんの病状や生活背景、居住地などを考慮し転院先を提案するなど、相談にのってくれるでしょう」

 大学病院や地域の中核病院など、積極的に脳卒中の治療をおこなう病院には「脳卒中相談窓口」が設置されていることが多い。日本脳卒中学会が認定する一次脳卒中センター(PSC)コア施設には、この窓口の設置が義務化されており、患者や家族の相談に応じている。学会のホームページにPSCコア施設一覧が掲載されているため、参考にしてほしい。

■まずは予防を心がけたい

 脳梗塞は、再発リスクが高い病気だ。生活習慣との関わりが深いため、「原因となる病気や生活習慣が改善されない限り高い確率で再発する」と両医師は口をそろえる。

「最初の1週間がとくに再発リスクの高い時期で、最も起こりやすいのは発症した日です。脳梗塞を起こしたら軽症でも入院が勧められますが、それは再発の多い時期を病院でしっかり管理するためです」(豊田医師)

「昔は10年間で5割が再発するといわれていました。現在は再発予防のための治療薬が進歩しているので少し減っていますが、それでも再発は起こり得ます。そのため、医師は治療と同時に再発リスクも評価し、リスクが高い患者さんには、血液を固まりにくくする薬を処方する、生活習慣病の治療をするなど再発予防への取り組みを積極的におこないます」(森本医師)

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多くは生活習慣に気をつけることで予防できる