一日のうち何度も計画停電があるので、電子機器の充電がしっかりされているか確かめるのが日課になっています。電気が2時間使えたと思ったら、その後4~6時間停電になるという日々です。最近は毎日気温が氷点下に下がるため、停電は身にこたえます。お湯を沸かし溜めておくなどして、なんとか対処しています。

 ボランティア活動は、いくら力を尽くしても足りないと無力感を抱くこともあります。前線で戦う男性たちや被害の大きいエリアに武器や薬を届けたり、募金活動を行ったりしていますが、「もっとできることがあるんじゃないか」という気持ちでいっぱいです。でも、シェルターの中で勉強する子どもたち、停電中も発電機を使って営業を続けている薬局やレストラン、戦地で戦う同年代の男性たちの姿を見ると、「自分があきらめてどうする」と気持ちが奮い立ちます。

 私はウクライナの勝利を確信しています。ロシアが歩みを止めれば、戦争は終わる。でも、我々が歩みを止めたら、ウクライナという国はなくなってしまうのです。国際社会における自由と民主主義の力を証明するためにも、私たちは負けてはならないのです。

(構成/ライター・大井美紗子)

AERA 2023年2月27日号

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