リチャードは育成ドラフト出身ということもあってまだ若手というイメージが強いが、今年で24歳という年齢を考えるとそろそろレギュラーに定着したいところだ。レギュラーは自分の力で勝ち取るというのはもちろんだが、チームの将来を考えると思い切った抜擢も必要になるだろう。

 また、ソフトバンクでは外野もレギュラー争いも非常に激しくなっている。前述した通り柳田が指名打者に入り、近藤健介、周東佑京、正木智也という布陣になっているが、他にも昨年ブレイクした柳町達や、現在はセカンドに回っている牧原大成も控えている。三森大貴をセカンドとして起用するとなれば、当然牧原が外野に回ることも考えられるだけに、このあたりの整理も今後の注目になりそうだ。

 一方のセ・リーグでは阪神の外野陣も気になるポジションだ。佐藤輝明をサードに回し、両翼をルーキーの森下翔太と新外国人のノイジーという起用になっているが、昨年活躍した島田海吏、二軍で中軸として活躍している井上広大なども控えている。森下が調子が落ちた時は彼らを起用するという形で上手く回せるという考え方もあるが、既に新外国人の1人は余っている状態であり、島田と井上の抜擢が遅れるということも考えられる。積極的なコンバートを行い、チームを作り変えようとしている印象の強い岡田彰布新監督だが、余剰戦力となっている選手をどう扱っていくかということも今後の課題となりそうだ。

 同じセ・リーグではDeNAの二遊間も今後の注目ポイントだ。2019年のドラフト1位である森敬斗がショートのレギュラー候補となっているが、中日から京田陽太を獲得し、さらに昨年のドラフト3位で獲得した林琢真もオープン戦から結果を残して開幕一軍を勝ち取っている。将来的には現在セカンドの牧秀悟がサードに回ることも考えられるが、宮崎敏郎も長期契約を結んでおり、まだまだその打棒は衰える気配がない。そうなるとショートのポジション1つをめぐって実績のある選手と期待の若手が争うことになるが、どうしてもいずれかの出場機会が減ってくる状況になる。誰をどのタイミングでレギュラーとして決めるのかというのが今後の注目ポイントになるだろう。

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“旬”を逃さないためにもトレード必要?