乾燥予防も重要だ。ウイルスの生存率と温度、湿度の関係を調べた研究では、温度21~24度で湿度50%以上の場合、ウイルス生存率は3~5%。ところが、同じ温度で湿度が20%になるとウイルス生存率は60%になる。温度7~8度に設定した場合も、湿度50%以上ではウイルス生存率35~42%に対し、湿度22~25%では63%だった。つまり乾燥しているほどウイルスの生存率が高い。
インフルエンザウイルスに関してはどの湿度でも感染力が弱まらないという研究発表もあるが、湿度が高いほうが喉の繊毛が活発に動き、ウイルスを排除する能力が高くなることは確か。
「だから私は、クリニックの待合室、診察室はもちろん、自宅の各部屋に加湿器を置いています」(同)
加えて、大谷さんは殺菌効果が高い成分カテキンを多く含む緑茶を頻繁に飲み、喉を潤すようにしている。うがいはインフルエンザ予防として現在は推奨されていないが、喉の乾燥を防ぐという意味では有効だという。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2019年2月18日号