最新機器でリアルタイムの血糖値を知り、140以下にキープする。 そんなダイエットに、アエラの男性副編集長(43)が挑戦した。波乱の展開の先に見えてきたのは、新しい自分だった。
【イラスト】99.4キロ「おっさん代表」のダイエットはどうなった?
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「ピロリンッ」
二の腕に取り付けたセンサーに読み取り機「フリースタイルリブレ」を押し当てると、瞬時に現在の血糖値が表示される。気分はサイボーグ。すごい、めっちゃかっこいい。
東京・銀座のAGE牧田クリニックで牧田善二医師の説明を受け、職場に戻った私は同僚に「ほら、すごいっしょ」「140にいかなければ何を食べてもいいんだぜ」とルンルン。早速おにぎりを食べ、ドキドキしながら血糖値の変化を見守った。
──お楽しみは、ここまでだった。
43歳、体重約100キロ。鯨飲馬食、連日連夜の肉まみれ、酒まみれ。数年前の健康診断で「高血糖」と指摘された。以後、健康診断前1週間は節制するようになり、血糖値はぎりぎり正常値。今回、読み取り機に初めて表示された数字は「106」。空腹時の正常値の上限とされる110を少し下回る数値だ。
だが、おにぎりを食べて約2時間後、血糖値は208に。なかなか下がらず、5時間たっても141。140以下をキープできれば何を食べてもいいと言うが、裏を返せば、140を切らなければ何も食べられない。
空腹に耐えきれず、会社を出た私は夜の街を歩き始めた。食べるには、血糖値を下げるしかない。30分後やっと94に。「いきなり!ステーキ」で400グラムの肉とハイボール2杯を口にしたら、数値は153。不安を抱えたまま迎えた翌朝、さらなるショックに襲われた。
起き抜けの血糖値、134。これじゃ、何も食べられない。牧田医師にメールで相談したところ、こんな返信が来た。
「境界型糖尿病の疑いがあります。できる限り140以下にキープして大幅に痩せれば回復する望みがあります。実は自分が糖尿病になっていると知らない人がたくさんいます。そういう人の代表として貴重なデータと情報を発信してください」