1千枚以上をもらった大阪市内の別の病院の担当者は当時についてこう話す。

「防護服が不足していて、かっぱは早い者勝ちという情報だったので急いで市役所に行きました。ただ、かっぱなので手首などにすき間ができやすく、コロナ病棟では使えませんでしたね。コロナ以外の感染症の現場や高齢者が食事する際のエプロン代わりにしていました。急に雨が降ってきた時に、徒歩や自転車で通勤している職員にもあげました」

 その後、すべて使い切れたのかというと、

「コロナには使えないのでそれ以上もらうのはやめたのですが、大阪市から『大量の在庫があるのでなんとか引き取ってほしい』という話があり、いただきました。とはいえ、今は使い道がないので何百という在庫が倉庫に眠っています」

 と苦笑した。

 当時、5千枚もらったという大阪府の池田市民病院では、今も地下の機械室で約1600枚が山積み状態だ。

「細かい数字は不明ですが、当時、コロナ治療で使ったかっぱは限られました。機能性に欠けるところがあまりに大きかったのです。寄付されたものなので有効活用したかったのですがすぐに名案は浮かばず、なんとか病院の駐車場に置き場を作り、今も“在庫”となっています」

池田市民病院に残る雨がっぱ
池田市民病院に残る雨がっぱ

 一覧表の最後には、

<本市関係部局等 187276>

 という数字が記されていた。つまり、約18万7千枚が大阪市の部局に配られているということだ。仕方がないとはいえ、先の病院の話でも捨てられたものが半分といい、医療現場で役立ったかっぱは全体の4分の1ほどということになる。

 また、病院などを含め配布が終了となったのは2022年9月。2年半近くも配り続けていたことになる?

 大阪市健康局総務部の担当者は、

「2年以上の期間をかけてというのは、欲しいという病院などの意向を聞いてそうなったので、それだけかかったとしか言いようがありません。とにかくすごい量の寄付をいただきましたので。医療用に適さないものがあったとの指摘も、緊急時だったのでそういう対応を取らざるを得なかった。市の部局で半分を使うということですが、各部局に何枚必要か希望を募り、その数に合わせて配っています」

 と説明した。

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市職員「面倒な仕事が残った」