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 クイズがアツい。日々たくさんのクイズ番組が放映され、全国各地で高校・大学クイズ研究会がしのぎを削り、クイズにまつわるYouTube、アプリ、ゲームも流行。東大文系の新入生へのアンケートでは、クイズ界のスター・伊沢拓司が尊敬する有名人の3位になるほどだ(週刊朝日2022年4月8日号)。このクイズブームはいつから始まったのか。

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『史上初! これ1冊でクイズのことがまるっとわかる クイズ用語辞典』(三木智隆、石野将樹、徳久倫康 著/田中健一 著・監修)で、「アメリカ横断ウルトラクイズ」の優勝者がその答えを解説している。抜粋して紹介したい。

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 クイズを単に「出された問題に答える遊び」と捉えるのであれば、それは遠い昔、ヒトが言葉を獲得してすぐに誕生していたのかもしれません。ギリシャ神話で怪物スフィンクスが通りかかる人々に出していたという「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足の生き物は何?」という問題が世界最古のクイズと呼ばれることもありますし、日本でも『枕草子』など平安時代の文献にすでに謎解きのようなものが登場していました。これらはクイズと言うより、なぞなぞに近いものですが。

 では「クイズ(quiz)」という言葉はいつ生まれたのでしょうか? その起源には諸説ありますが、「あなたは誰ですか?」という意味のラテン語「qui es?」を語源とする説などが有力とされているようです。

 さて、ここからは場所を日本に絞ってクイズの歴史を振り返りましょう。今につながる「クイズ」という文化が日本に入ってきたのは、戦後のラジオ番組がきっかけでした。1946年からNHKラジオで放送された「話の泉」や、翌年に始まった「二十の扉」が、日本の最初期のクイズ番組です。

 アメリカの番組をモデルとしたこれらの番組を日本にもたらしたのは、GHQ(連合国軍総司令部)の部局・CIE(民間情報教育局)でした。そこには、家父長制の解体や民主化の促進といった狙いがあったと言われています。

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最古のクイズサークルは「ホノルルクラブ」