MDIの場合はさらに、営業職を希望する競争意識の高い内定者が多いことが功を奏した。紹介した後輩が説明会に参加したら5千円、入社が決まったら5万円の報奨金。実績をあげた新入社員は入社式で表彰すると告知したところ、かなり積極的な参加が見られたという。
採用コストの面からもリファラル採用は企業にとってメリットがある。
「中途でもリファラルを導入していますが、求人広告媒体や人材紹介会社を利用した場合と比べ、採用単価は10分の1程度です」(MDI人事部の角田真次長)
かつて「主従」だった企業と個人の関係性が、「対等」になりつつある。今回の取材の中で、多くの人がそう口をそろえた。「元社員」「社員の知り合い」といった個人のつながりこそが、財産となる時代。その大切な財産を差し出す価値が、会社にも求められる。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2018年11月19日号より抜粋