
人気声優の宮野真守さんが、アニメ「プリキュア」シリーズが誕生して15年の記念碑的作品「映画HUGっと!プリキュア(ハートマーク)ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」で、歴代のプリキュアの想い出や力を奪う最強の敵、ミデンを演じる。今回はそんな宮野さんに、同作へかける思いを聞いた。
* * *
──「ふたりはプリキュア」(2004年2月~05年1月)にはどんな印象を?
宮野真守:プリキュアが始まったとき、僕はもう声優を始めていましたので、女の子が肉弾戦で戦う姿に衝撃を受けて(笑)、面白いアニメが始まったなと注目していました。だから今回、15周年という素晴らしいタイミングで「映画HUGっと!プリキュア」に参加させていただけたことは本当に光栄です。
──宮野さんが演じる「ミデン」はどんなキャラクターでしょう。
宮野:かわいらしい見た目ですけど、やることは結構とんでもない(笑)。相手の大切な思い出を奪ってしまう特殊能力を持っていて、だから歴代プリキュアの思い出や力を奪って、口癖も楽しそうにマネしたりするんです。まさか「ぶっちゃけアリエナイ!」というセリフを言える日が来るとは思ってなかったので、僕自身、すごく楽しんでやりました。ただ、監督に「ミデンのセリフ、『HUGっと!プリキュア』の各キャラクターの雰囲気で、一行ずつ変えて喋ってください」と言われたときはシビレましたね(笑)。でもそれって15周年ならではの特別な演出。ミデンだけができることなので、チャレンジするのはワクワクしました。
●根本を掘り下げる
──宮野さんと言えば“イケボ”でミデンはキモかわいい怪物。どう役作りをされましたか?
宮野:僕も最初はビックリしました。まず、どういう意図があってこのキャラクターが宮野なのか監督たちに伺って(笑)。そうしたら外見がどうというよりも「ミデンの出自からくる複雑な心境や、心情の渦巻きを表現してほしい」とおっしゃってくださって。それならミデンの内面や本質をしっかり掴んでいくことが大事だと思った。そこはちゃんと苦労したかったので……ミデンがああなった背景には悲しい理由があるんですが、彼の孤独や寂しさを自分の感情を使って膨らませるようにしてから臨みました。