小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『歳を取るのも悪くない』(養老孟司氏との共著、中公新書ラクレ)、『幸せな結婚』(新潮社)
小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『歳を取るのも悪くない』(養老孟司氏との共著、中公新書ラクレ)、『幸せな結婚』(新潮社)
政治分野における男女共同参画推進法の可決、成立を多くの女性が見守った (c)朝日新聞社
政治分野における男女共同参画推進法の可決、成立を多くの女性が見守った (c)朝日新聞社

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 自民党総裁選が終わって、週刊誌では早くも来年の参院選の議席予想が始まりました。で、ある日知人に「サンデー毎日読んだよ! 選挙出るんだってね」と言われたもんだからびっくり。

「サンデー毎日」10月7日号の「参院選124議席全予測」という記事の中で、政治ジャーナリストの角谷浩一さんが「立憲民主党は元TBSアナウンサーの小島慶子氏などの擁立に動く」と語っているのです。

 こんな噂が広まったら、私の稼業にマイナスの影響が出ること間違いなし(収録番組が放送できなくなるので、立候補しそうな人物はキャスティングされない)。そこで速攻でツイッターとフェイスブックとインスタグラムで「出ないよ! 誰か角谷さんに伝えて!」とコメントを出しました。これをお読みの方で、同様の噂を耳にした方、それは事実ではないのでどうかご承知おきください。

 以前にも、そんな噂が出たことがありました。まあ、元局アナっていかにも議員をやりそうな感じがするのはわかる。それに私は昨年、新宿駅南口バスタ前で演説したので、こいつ政治家志望だなと思われたのかも。あれは選挙のボランティアをしている友達に頼まれたからで、喋った内容も以前からラジオで話していたこと。政界に興味はないけど、あの時のライブ感が楽しかったので、ああ、今後はトークライブやりたいなって思いました。どなたかイベントの企画、お待ちしております。

 今年5月に施行された「政治分野における男女共同参画推進法」では、候補者の男女比を半々にするよう謳っています。私が懸念しているのは、知名度重視で女性候補がいわゆるタレント候補ばかりになること。議会に女性を増やすのは、女性の多様性を反映するためです。社会の様々な場所で経験を積み、専門的な知見を身につけた女性たちに、立法府の一員としてしっかり仕事をしてほしい。投票するときにも見た目やイメージではなく、そうした資質で選んでほしいです。志と実績がある多彩な人材をぜひ、国会に。

AERA 2018年10月22日号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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