DeNAの村川凪(写真提供・横浜DeNAベイスターズ)
DeNAの村川凪(写真提供・横浜DeNAベイスターズ)
この記事の写真をすべて見る

 シーズン開幕から約10試合を消化した今年のプロ野球。各チームで新戦力の台頭も目立つが、その中でも最も驚きの活躍を見せているのがオリックスのルーキー、茶野篤政である。育成ドラフト4位での入団ながらキャンプ、オープン戦から結果を残して開幕直前に支配下契約となると、開幕戦のスタメンにも抜擢。4月6日のソフトバンク戦からは1番打者を任され、ここまで打率.342(38打数13安打)という見事な成績を残しているのだ。大学までは全く無名の選手であり、独立リーグを経てのプロ入りだっただけに、この活躍を予想していた人は皆無だっただろう。(以下、文中の成績はすべて4月13日終了時点)

【写真】キャリアの“踏ん張り時”に来ている投手といえば

 そして茶野以外にも現在育成契約ながら、支配下登録が狙えそうな若手選手は少なくない。投手でまず名前を挙げたいのが今年高校卒2年目の福島蓮(日本ハム)だ。八戸西(青森)では2年秋にチーム初となる東北大会出場に導き、翌年春のセンバツ高校野球にも21世紀枠で出場。初戦で具志川商(沖縄)に敗れたものの、当時から投手としてのセンスの良さは光るものがあった。

 高校2年秋は体重60kgにも満たない細さだったが、そこから冬の間に筋力強化を図り、3年夏にはストレートが140キロを超え、潜在能力の高さが評価されて一昨年の育成ドラフト1位で指名を受けた。ルーキーイヤーの昨年は二軍で14試合に登板して防御率5.06という結果に終わったものの、ストレートは150キロ前後をマークするまでにスピードアップした。

 今年もキャンプから順調に調整を続け、4月9日の西武との二軍戦では5回を投げて無失点で勝利投手となるなど、ここまで3試合、10回を投げて防御率0.00、被安打3、10奪三振と見事な結果を残しているのだ。まだまだプロとしては細身ながら、190cmの長身から投げ下ろすストレートとフォークは素晴らしい角度がある。同学年の達孝太、畔柳亨丞などとともに、今後の投手陣を担う存在となる可能性は十分だ。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
投手でもう一人楽しみな存在は?