今年は開幕から順調にヒットを重ねており、ここまで10試合の出場で14安打、打率.389を記録。またイースタン・リーグでトップタイとなる6盗塁をマークするなど、走塁にも磨きがかかっている。一軍のチーム盗塁数はここまでわずかに2と、ここ数年課題となっている機動力不足は解消されていないだけに、足のスペシャリスト枠として支配下登録、そして一軍抜擢も期待したい選手である。
昨年もシーズン途中に宇田川優希(オリックス)が支配下登録されて大活躍し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンにも選出されたことは記憶に新しい。若手選手の成長スピードは時として想像を大きく上回ることもあるだけに、今後も宇田川、茶野に続いて育成出身からブレイクする選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。