投手でもう1人楽しみなのが同じパ・リーグの清宮虎太朗(楽天)だ。2018年の育成ドラフト1位で入団。3年目の2021年2月にトミー・ジョン手術を受けたことで長期離脱を余儀なくされたが、昨年6月に実戦復帰を果たしている。プロ入り5年目となる今シーズンは開幕から二軍のクローザーに定着。ここまで7試合に登板して二軍では両リーグトップとなる4セーブをマークし、防御率1.29、奪三振率10.29、WHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)0.57という成績を残している。

 リハビリ期間中のトレーニングが奏功してか、ストレートはコンスタントに150キロ台をマーク。福島とは対照的にリリースポイントは低いが、ホップするようなボールの勢いは素晴らしいものがある。チームは投手陣の世代交代が大きな課題となっているだけに、早期の支配下登録も期待できそうだ。

 一方の野手でまず名前が挙がるのが、茶野と同じルーキーの外野手である中村貴浩(広島)だ。九州産業大では4年間でリーグ戦通算12本塁打を放つなど中軸として活躍。ただ打撃の粗さと、高いレベルの投手への対応に課題が残り、育成2位という評価でのプロ入りとなった。それでもキャンプから積極的な打撃が評価されると、オープン戦でも初打席で初安打を記録。二軍でもここまで14試合に出場して18安打、2本塁打、13打点と3部門すべてでチームトップの成績を残しているのだ。大学時代はパンチ力こそあるものの、崩されやすいという印象が強かったが、現在は広角に打ち分ける上手さもでてきたように見える。一軍の外野を見てもライトは流動的なだけに、このままアピールを続けていけば、一気に抜擢ということも十分に考えられるだろう。

 野手でもう1人強烈なアピールを見せているのが2年目の村川凪(DeNA)だ。四国アイランドリーグの徳島では63試合で40盗塁をマークして盗塁王に輝き、一昨年の育成ドラフト1位でDeNAに入団。1年目の昨年は二軍で打率.208と苦しみながらも、チーム2位となる13盗塁を記録するなど持ち味のスピードを発揮している。

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村川は“機動力不足”のチームの救世主に?