能上雄貴(のがみ・ゆうき)/東京大学大学院の修士2年。微生物を用いて新エネルギーを作る研究をしている。最近のブームは低温調理。研究で忙しい日の食事は常備パスタで簡単に済ませる(撮影/横関一浩)
能上雄貴(のがみ・ゆうき)/東京大学大学院の修士2年。微生物を用いて新エネルギーを作る研究をしている。最近のブームは低温調理。研究で忙しい日の食事は常備パスタで簡単に済ませる(撮影/横関一浩)
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 東大生はどんな食事に心がけてきたのか。これを食べたら頭がよくなるというレシピがあれば知りたいところ。東大料理愛好会のメンバーに自身の食について聞いた。

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 東京大学料理愛好会と聞いたら、頭がよくなる食事を期待する人は多いだろう。事実、同愛好会はこれまで『頭がよくなるレシピ』『アタマとカラダが冴える! 東大おやつ教室』などの書籍を出版してきた。

 同大大学院工学系研究科2年で、会の渉外担当を務める能上雄貴さんは言う。

「食べたらすぐにIQが10上がる食事はさすがにありません。カルシウムやDHAなど、不足しがちな栄養素を上手に取り、体調を整えることを心がけるのがいいんじゃないでしょうか」

 確かに、食は長期的に心身に影響を与えるもの。即効性を期待してはいけないが、それでも頭の働きをよくする秘訣を東大生に聞きたい! 能上さんが受験勉強で実践してきたマイルールを教えてくれた。

「入試の朝は、カレーライスと決めています」

 カレーのスパイスが、脳の活性化によい。中学校時代の教師が言っていたことが頭に残って、試してみてハマった。実は、子どもの頃は朝には弱く、大食漢だが、朝食は「スープ程度」。ごはんやパンは、なかなか喉を通らなかった。ルーと一緒に食べるカレーライスなら、起き抜けでも食べやすかった。

「偽薬でも効果があると感じる“プラセボ効果”もあるかもしれませんが、カレーを食べると頭が働く気がするんです」

 お気に入りは、圧力鍋で煮込んだ野菜と牛すじカレー。前日の晩に調理して、一晩寝かす。

「ぼくにはぴったり合いましたが、個人差があると思います。カレーは利尿作用があるとされているので、挑戦したい受験生は、本番前に模試などで試してみてください」

 頭の働きと栄養素の関係にも注目している。

「脳の働きには、炭水化物は不可欠のように感じています。特に、ぼくは炭水化物を取らないと頭が痛くなってしまうので、夜は控えても、朝昼はしっかり食べています」

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