岸田文雄首相に爆発物を投げつけ、威力業務妨害容疑で逮捕された木村隆二容疑者。黙秘を続けているといい、動機については今も謎のままだ。そうしたなか、木村容疑者の子ども時代や、家庭での様子について、親族が語った。また、木村容疑者が昨年6月に開設したツイッターで、犯行動機につながるとも取れる文言をつぶやいていたこともわかった。
「本当に申し訳ございません、岸田首相に爆弾を作って投げ込むなどというひどいことをする子どもじゃなかったのですが」
つらそうに言葉をつなぐのは、木村容疑者の親族だ。
今から15年ほど前のことだ。木村容疑者は両親につれられて、親族宅を訪れていた。
「その時のことが一番、記憶にありますね。山や海で遊び、真っ黒に日焼けしてすいかにかぶりついて『おいしい』と顔をほころばせていました。活発的でやんちゃでしたが、心優しくてよい子でした」
その後親族は、木村容疑者の様子については両親から話だけ聞いていたという。
「(木村容疑者の)様子が一変したのは中学生のときだと聞きました。中学校で特定の同級生からいじめを受けて、家から出なくなってしまったようです。中学校は卒業しなければ、ということで、3年生になって通うようにはなったのですが、すっかり内にこもるようになってしまい……」
10年ほど前に会ったときは口数が少なく、表情も乏しくなっていたという。
「高校は入学したけどあまり通わなかったようで、結局やめてしまったと思う。でも、引きこもって一歩も家から出ないかというと、そうでもないようで、母親の買い物に付き添ったりして、家も車があった方が便利だからと20歳くらいになって免許証も取りました。『少しずつやる気が出てきた』と母親も喜んでいました。自宅ではインターネットにはまって、一日の半分以上をパソコンやスマートフォンを見たり、ゲームをしたりして過ごしていたようです。母親とは話をするし、食事も呼びかけると2階の自室から下りてきて食べていたようです」